塔 「塔」2025年2月号 十首 裂(きれ)深きぶどうの葉なりその裂の深さに世界分断されつ 三井修火(ほ)明かりにただ濡れてをりいつかしら逢へざる日々の落葉の嵩 梶原さい子夕映えが山国川を滑りゆくひと日を終へる火照り率ゐて 祐德美惠子どの家も飢饉に強き柿の木を植ゑたる里に人... 2025.02.13 塔
塔 「塔」2025年1月号 十首 どんぐりの小枝を折りて持ちゆくに落とせり四方よもに弾けとびたり 花山多佳子栗茹でて冷めるを待てばおのづから齢深まる日日を諾ふ 干田智子海亀の巣穴の変化確かめて星と海とのはざまに座せり 河野正もうゐないひとに掛かつてくる電話かみふうせんのやう... 2025.01.24 塔